当社では1999年に工学院大学と共同で金属水素錯体水溶液と触媒(フッ化金属水素化物)を用いて簡単に水素発生させるシステムを開発しました。(日本経済新聞 1999年8月9日 15面科学技術欄)この技術によって、低公害動力源として最も注目されている燃料電池の水素供給側装置の小型化によって安価な燃料電池の開発が可能となり、多種多様な用途への応用が考えられるようになりました。災害非常時用可搬型燃料電池、携帯通信機器、バッテリーの充電等の数十W〜数kWクラスに対応する産業化が期待されております。
<ホウ素系液体燃料を用いた災害非常時用燃料電池 デモ機>
水素化ホウ素ナトリウムを用いた災害非常時用燃料電池を開発致しました。この燃料電池は、装置内部で水素化ホウ素ナトリウムから水素を発生させるシステムを用いた燃料電池です。また、燃料供給バルブを開放することで直ちに発電を開始し、バルブを閉じることで発電を停止させることが出来ます。
特徴
◆ホウ素系液体燃料とは、天然資源であるホウ砂から作られる水素化ホウ素ナトリウムを水に溶 解した、液体の水素貯蔵材料です。
◆この水素化ホウ素ナトリウムは白色粉末状で安全に輸送することが可能であり、現場調達可能な水に溶かすことにより水素貯蔵材料として使用することができます。
◆この燃料は水に溶かしてから使用するため、水素ガスボンベのように発火や爆発の危険はありません。
◆本装置は、ホウ素系液体燃料を用いた水素発生カートリッジから固体高分子型燃料電池に水素を供給して発電する、新しいタイプの発電機です。
◆本装置には、補助電源としてのバッテリー等は必要ありません。また、起動までの助走時間が無く、即応型の発電が可能です。
◆二次電池のような充電時間は必要なく、燃料カートリッジを交換すれば、長時間の運転が可能です。
◆“使用済み”燃料は、回収されリサイクルされるため、環境を破壊することはありません。
左:水素発生カートリッジ 右:燃料電池システム本体
- 仕様 -
出力 |
200W(AC100V) |
全長×全幅×全高 |
405×175×260mm |
重量(燃料含) |
7kg |
- 燃料電池(スタック)仕様 -
出力 |
200W(DC24) |
電流密度 |
280mA/cm2 |
電極サイズ |
6.5cm×4.5cm |
電極面積 |
30cm2 |
セル数 |
40枚 |
環境温度 |
5〜40℃ |
作動温度 |
40〜70℃ |
燃料電池体積 |
1.3L |
重量 |
2.5kg |
- 水素発生カートリッジ仕様 -
最大水素発生速度 |
4L/min. |
燃料タンク容量 |
500mL |
発電量 |
200Wh |
全長×全幅×全高 |
315×140×130mm |
重量(燃料含) |
2kg | |